JavaScriptに変換できる「TypeScript」とは?
JavaScriptコードに変換できる言語はさまざまなものがありますが、近年利用者が増えてきている言語が「TypeScript」です。
マイクロソフトが開発を行い「JavaScriptのスーパーセット」として使うことができますが、「TypeScriptの特徴」や、「どのように使うことができるのか」を見ていきましょう。
「TypeScriptの特徴」を知っておこう!
TypeScriptは、「データ型を明示」して利用できる言語です。
例えば、変数を定義する場合に、
var name : String = 'taro'
と書くと、文字列型の変数を定義することができます。
データ型は他にも、
- Boolean
- Number
- String
- Array
- Tuple
- Enum
などさまざまなタイプが用意されています。
タイプ(Type)は、「データタイプ(データ型)」を表しているため、タイプ(Type)を重視した言語が「タイプスクリプト」です。
さまざまなエディタ・IDEでもサポートされているため、入力支援機能などを活用することで、快適な開発作業を行うことができるのではないでしょうか。
ちなみに、定数を使いたい場合は、
const 定数名: データ型 = 定数値
と書くと、定数を定義することができます。
関数を定義する場合は、
function 関数名(引数):戻り値の型 { //処理 }
と書くことで関数を定義することができます。
例えば、2つの値を加算し、合計値が戻り値の関数を作るのであれば、
function addVal(num1: number, num2: number):number { return num1 + num2; } ※「引数・戻り値の型」は定義可能。
のような書き方になります。
他にも「アロー関数」という方法があり、
var addNum = function(num1: number, num2: number): number { return num1 + num2; }; console.log(addNum(1, 2)); // 3
という記述も可能です。
「クラス」を作ることができるのが「TypeScript」の大きな特徴ですが、クラスを作るには「class」キーワードを利用していきます。
class Employee { private id: number; private name: string; private dept: string; //コンストラクタ constructor(id: number, name: string, dept: string) { this.id = id; this.name = name; this.dept = dept } public showEmployee(): string { return "id=" + this.id + " name=" + this.name + " dept=" + this.dept; } } var emp: Employee = new Employee(1, 'tanaka', 'marketing'); console.log(emp.showEmployee());
このように、クラスベースのオブジェクト指向言語に慣れている方には、大変理解しやすいプログラムとなっています。
しかし、Javascriptの基礎を理解していることがTypeScriptを利用する前提知識となりますので、未経験の方はまず、「Javascript」の基礎から学んでいくようにしましょう。
TypeScriptはJavaScriptコードに変換して実行するため、Javascriptが理解できることで、バグの原因を見つけやすくなります。
現在利用されている多くのブラウザは「Javascript」しか解釈・実行できないため、このような仕組みとなっているのですね。
「C++・Java・PHP」など多くの言語がクラスを採用しているため、これらの言語をメインで利用している方もJavaScriptが使いやすくなるのではないでしょうか。